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脳梗塞予防に脳血管内治療

time 2017/04/19

脳梗塞予防に脳血管内治療

脳血管内治療とは、大腿のつけ根などから血管にカテーテルを入れて器具を操作し、血管内の病変を治す治療法です。
皮膚や頭蓋骨を切開する手術に比べ、体への負担が少ないことが特徴の一つだと言えます。

脳血管内治療には、くも膜下出血の主な原因となる動脈瘤や脳動靜脈流奇形をコイルで閉塞する塞栓術、頭蓋内血管や頚動脈の挟窄症を治療するステント留置術があります。
頚動脈の血管が動脈硬化のため狭くなる頚動脈狭窄症は、脳梗塞の原因にもなる病気です。

治療には、抗血小板薬を内服する内科的治療が行われますが、狭窄の度合いが激しく脳梗塞を起す危険性が高い場合は、外科的治療が検討されます。
欧米では、70%以上の狭窄だと再発率は2年間で約26%、外科的治療を行った場合は9%で済むという臨床結果があります。

頚動脈狭窄症の外科的治療と言えば、まず内膜剥離術が挙げられます。
狭窄した血管を広げて血流を改善するため、血管内壁についたアテローム(コレステロールや脂肪)を削りとります。
首を切開するため声帯や嚥下機能に影響がでることもあり、高齢者には体力的負担も大きくなります。
また、心臓病を併発している患者さんでは心筋梗塞を起こす危険性もあり、年齢や病状によっては手術を行えないこともあります。

そのような患者さん向けに考案されたのが、頚動脈ステント留置術です。
内膜剥離術を行うには危険が伴う患者さんを対象にした欧米の臨床試験では、内膜剥離術と同等かそれ以上の有効性が確認されています。

 

 

ステント留置術は術後一週間で職場復帰も

ステント留置術は日本でも1990年代から徐々に行われるようになり、最近では内膜剥離術より手術数が多くなってきました。
厚生労働省の許可も正式に受けています。

ステンド留置術を受ける際には、2種類の抗血小板薬を1週間前から服用します。
手術時には、血液が固まりにくくなる薬を血液に注入します。
大腿のつけ根からカテーテルを入れて頚動脈まで進め、風船で狭窄部の血管を広げ、筒状のステントを置きます。

ステントの先には100マイクロメーター(マイクロは100万分の1)の穴が開いたフイルターがついており、血流を遮断せずに剥がれたアテロームだけをキャッチします。
フイルターは最後に回収します。
ステント留置術の手術自体は1時間程度です。
病院によって違いはありますが、局部麻酔だけで行うことも多いようで、入院期間は4〜5日程度で済みます。

最近、動脈硬化のリスクの高い人が増えていますが、高いリスクを自覚している人には、頚動脈の超音波検査をお勧めします。
狭窄が有った場合は、できるだけ早く専門医に相談をしましょう。

なお、ステンド留置術を実施できる医療機関は限られています。
希望する場合は、手術実績などを調べて受診することをお勧めします。