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白内障の新手術法

time 2017/04/19

白内障の新手術法

白内障は、目の中でレンズの役割をする「水晶体」が濁る病気です。
濁りで光がうまく通らず乱反射し、視力の低下、目のかすみ、光をまぶしく感じる、といった症状が現れます。

白内障は、加齢とともに誰にでも起こる傷病で、日本の白内障患者は130万人とも言われ、60歳以上では8割以上の人の目に何らかの濁りがあります。
この病気の治療には、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを目の中にいれる白内障手術が行われます。

現在、手術の主流となっているのは、「超音波乳化吸引法」と言われるものですが、最近ではこれを改変した「プレチョップ法」という術式を実施する施設が増えています。

白内障の新手術法「プレチップ法」は水晶体を分割してから吸引します。
従来の超音波乳化吸引術では、まず目の表面の角膜を約3mm切開し、そこからメスを入れて水晶体を包んでいる薄い膜に丸い穴を開けます。
次に穴から超音波で発振しながら水晶体を砕いて吸引する器具を挿入し、濁った水晶体を取り除き、その後、水晶体があった場所に眼内レンズを入れるという方法です。

一方、プレチョップ法では、吸引する前に専用の器具で水晶体を4〜8分割し、小さくしておいた水晶体を超音波で破砕、吸引するのが特徴です。
プレチョップ法は大きな水晶体を砕く従来の方法と異なり、吸引器具を目の中で何度も大きく動かさなくてよいため2mm以下の切開創で手術できます。
傷口が小さいため、縫わなくても自然にふさがり、炎症が少なく、傷のなおりが早いのが特徴で、術後に乱視になりにくいというメリットもあります。

また、水晶体が小さくなっているので超音波をかける時間は、従来の2〜3分から数秒へと短縮できます。破砕の際にかける超音波エネルギーが小さいため、角膜などの大切な組織を傷めにくいのも特徴です。
さらに、白内障が進行して水晶体が硬くなっているケースでも、破砕時に水晶体を包む膜を破損してしまうといったリスクが少なく、加えて、従来20〜30分かかった手術時間も、数分と短くて済みます。

白内障手術は、急ぐ必要はありません。日常生活に不自由が出てきたら手術を受けるという程度でいいでしょう。
ただし、糖尿病や、アトピー性皮膚炎の人、ステロイド剤を長期間服用している人で20〜30代でも白内障が発症し、進行が早いケースもあるので留意が必要です。

最近では、遠近両用の眼内レンズもあり、50歳以下で既に白内障が始まっている場合には、近視や遠視、老眼の矯正手段として、白内障手術を受けるという、選択肢もあるでしょう。