2020/06/13
心臓病とガンで両親を早くに亡くしている人が人間ドックを受けていますが、もっと詳細に出来る検査があれば試してみたいと思っている人も多いかと思います。
このような人にお勧めしたいのが、従来のCT(コンピューター断層撮影装置)の10倍以上の速さで断面を走査する電子ビーム断層撮影装置(EBT=Electron Beam Tomography)を使った診断です。
EBTでは、従来の検査で見つけられないような、早期の心臓病やガンなどを発見出来る可能性があります。
全身の検査を行っても、所要時間は約20分、検査結果に関する医師とのカウンセイングを入れても、1時間程度で終わります。痛みもなく、従来のCTスキャンに比べて放射線被爆量もおよそ10分の1と少ないのが特徴です。
当ホリスティカのEBT検査で最も多く見つかるのが、アテトローム性動脈硬化症。
これは、血管の内部に隆起がおきて、血液が流れにくくなる状態で、心筋梗塞や脳卒中の原因になります。心臓機能の検査として、従来の運動負荷試験がありますが、これは心臓の血管が随分詰まってからでないと異常値が得られにくく、そのため危険な状態を見逃してしまう割合も少なくないのです。
一方EBTでは、心臓の血管に蓄積したカルシュウムの量を測定し、早期に血管の詰まり具合を評価することができます。
一般的に、心臓血管内のカルシュウム量が多ければ多いほど、心筋梗塞を発症するリスクも高くなります。
検査の結果、リスクが高いと判断された人は、運動負荷試験や血管造影などを行い、より詳しく状態を調べ、その結果に応じて適切な治療を開始します。
ごく小さな肺ガンも検出
EBTではまた、肺ガンも鉛筆の先についている消しゴムほどの、ごく小さいうちに検出できます。
X線検査に比べて、正確性が極めて高いのです。
従来のCTでも同様の精度が得られますが、放射線被爆量の少ないEBTのほうが、スクリーニング検査としては優れています。
ガンがその程度の大きさ段階では、まだ症状がない場合がほとんどで、ほかに転移していることも少ないです。
これまでの研究結果によると、米国の肺ガン患者の5年生存率は15%に過ぎないのですが、転移前の小さな時点で摘出してしまえば、5年生存率は70%にまで上がるといいます。
そこで喫煙者は40歳になったら、毎年、肺のEBT検査をするとよいでしょう。
EBTでは、従来の検査で見つけられないような、早期の心臓病やガンなどを発見出来る可能性があります。
そのほか、腎臓や膵臓、肝臓、腸のガンも、まだ小さく、ほかに転移する前に検出が可能です。
EBTで疑わしい腫瘍が見えた場合には、生体組織検査やMRI(磁気共鳴画像装置)、超音波検査などを行って、良性か悪性かを見極めることになります。
EBTの費用は、全身の検査で995ドル。
心臓や肺(それぞれ395ドル)、脳(595ドル)など、別々に選んで行うこともできます。
ホリスティカでは2000年に開設以来、約8000人のEBT検査を実施。約250人の日本人も検査を受けました。
日本の大学病院や専門クリニックなどでの導入も進んでいるので、問い合わせてみるのもいいでしょう。