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健康習慣に体質に合ったお茶「医食同源」を

time 2017/04/21

健康習慣に体質に合ったお茶「医食同源」を

お茶のルーツは中国にあり、8世紀に茶聖として知られています。
陸羽がお茶のバイブルとされる『茶経』を記しています。

『茶経』によると、お茶は紀元前2700年頃から飲まれていたといいます。
唐時代の宦官劉 貞亮が記した『飲茶十徳』には、

「散邪気(憂鬱で曇った気持ちを晴らす)」
「駆睡気(眠気を除く)」
「養生気(元気を養う)」
「除病気(病気が治る)」

など、お茶の10の効用が挙げられています。

日本に臨済宗をもたらしお茶を広めて栄西も『喫茶養生記』の中で、
「茶は養生の仙薬なり、延命の妙薬なり」
と記し、利尿作用がある、消化不良をなくす、酒の酔いをさますといった、様々なお茶の効用を挙げています。

このようにお茶は元来、最も有用な薬草として用いられてきた、いわば漢方の元祖です。
医学がまだ発達していなかった時代は、人々は日常、お茶を飲んで病気を治すことを考えていました。

伝統医学は、一般的に非科学的と言われる部分があるが、これを科学的に実証するために、「日本代替・相補・伝統医療連合会議」
「日本西医・(中国医学と西洋医学)結合学会」
などの機関が設立され、研究を進めています。

お茶の効能に関する調査では、大きく3つの影響が示されています。

1.体脂肪率や中性脂肪、
2.血流(淤血)の改善
3.NK(ナツラルキラー)細胞の活性化(自然治癒力の向上)

 

体質に合ったお茶を選ぶ

「医食同源」の言葉の通り、心身の健康には日頃の食生活が大切です。
こうしたお茶の食養生効果も見逃せません。

私は、この手軽に飲めるお茶を活用し、「未病を治す(半病人を治すという予防医学的な考え方)」という意味で、“医茶同源”を提唱しています。

お茶を飲む際には、人それぞれに合う薬や治療法があるように、その人の証(体質)に合ったお茶を飲むと健康効果が高まります。
例えば、「陰(寒)証タイプ」は体を温める効果がある紅茶をベースに、冬虫夏草、山査子、西洋人参などの植物を含んだお茶を飲むとよいでしょう。疲れやすい、風邪をひきやすい、手足の冷えや貧血気味、体力の低下が気になるなど自覚症状のある人にお勧めです。

「陽(熱)証タイプ」は烏龍茶をベースに、金銀花、蕃柘榴、山査子、枸杞の葉などが含まれていると、血流を改善し、老廃物の排泄を促します。

お茶はあくまでも薬ではありませんが、職場や家庭での健康習慣として取り入れてもらいたいと思います。
なお、自分の証を知りたい人は、病院の漢方外来で相談を。